駅の西口にある亀十寿司に直子はよく通った。
先代の主人が亡くなってから3年、長男が継いだこの店は、とても繁盛していたのだった。
長男の名は哲也、今年で36歳になる。
直子はいつもどおりカウンターに座り、カンパチを注文した。
直子は、寿司の味はもちろん、哲也の手に魅了されていたのだった。
ああ、哲也の指にやさしくもてあそばれた、ご飯が・・・・
繊細な指でつかまれたお寿司たち。
いつのまにか、直子は、哲也の指を見ながら、その指が自分の乳房をもてあそぶことを想像するのだった。
そしてぬらぬらと光った指先が、乳頭を撫でるのだ。
「お客さん、大丈夫ですか??」
「ハッ」
気づいたらもう深夜2時、いつの間にか直子は寝てしまっていたのだった。
「私ったら、酔っ払ってしまって、つい・・・・。」
「いいんですよ、毎週ありがとうございます。」
直子の肩からずり落ちたカーディガンをかけなおそうとした哲也の手が、直子の肩に触れた
「キャッ」
直子はドキっとして真っ赤な顔になってしまった。
「あ、すいません。」
さわやかな哲也の笑顔、キラリと白い歯が光った。
「哲也さん!!」
思わず直子は哲也に飛びついた。
「どうしたんですか」
「私・・・あなたの・・・・あなたの・・・・」
あなたの指で全身を撫で回されたい、なんて、言えるわけがなかった。
「あなたの弟子になりたいわ!!!」
「お客さん・・・・」
哲也は興奮し、直子の太ももをギュっとつかんだ。
「俺は、寿司以外のことを何もしらない、弟子になるかわりに教えてはくれないだろうか・・・。」
直子はうなずき、哲也の手を自分のブラジャーの中へと導いたのだった。
それから、毎日、朝から深夜遅くまで、直子の寿司修行が始まった。
寿司修行のあとは、哲也とふたりの甘く激しい行為が何時間も続いた。
そうして築き上げた二人の店が繁盛し、いつしか全国へと展開することになった。
やがて、世界のあちこちにまで広がりをみせた。
それから10年後、「マクドナルド」といえば「ハンバーガー」のことだと通じるように
今では「ナオコ」といえば世界のあちこちで「寿司」そのものをさす世界の言葉となった。
「夢は、誰でも、かなうんです、愛があれば。」
昨夜、ロンドンで行われた直子の講演会は、大盛況に終わった。
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