せっかくのイブだというのに、お人よしだった僕はバイトに入る羽目になってしまった。
カノジョに悪いことしたよなー、テニスサークルのコンパに行くっていってたから寂しい思いをしないでいてくれるんだろうけどね。
僕のバイトするレンタル・ビデオ屋は、住宅街の真ん中にあるせいかお客さんがひっきりなしにきていつもはとても忙しい。
でも、イブの夜はぜんぜんお客さんがこないんだ。
「いらっしゃいませ」
今日三人目のお客さんは、まるでフェレットみたいな顔をしたとってもかわいい女の子だった。
あんなかわいい子がひとりでイブの夜に、どんなビデオを借りるんだろう・・・・
ふわりと通り過ぎた髪の毛からは、セッケンの香りがして、ぼくはなんだかくすぐったい気分になった。
やがて、その子はビデオのケースを抱えてレジへとやってきた。
会員証を見ると「ユキコ」という名前らしい。ユキコちゃん。かわいい名前だ。
全部で三本。
2010年
恋する惑星
破廉恥女教師ーイってしまいなさいー
3本目のタイトルをみて、僕は困惑してしまった。これはアダルト・ビデオじゃないか!!
だけど、どんなお客さんにもそんな困惑を顔に出さずにスマイルで接しなきゃね!
そうしたらユキコちゃんがいったんだ。
「あの・・・・これ・・・・いっしょに見てもらえませんか?」
「へっ?」
「わたし、こういうのぜんぜんみたことなくて、ともだちの話にもついていけないんです。でもひとりでみるのがこわくて。」
な、なんと、こんなかわいい顔をして、レクチャーのためにアダルト・ビデオを借りるなんて!!
ユキコちゃんはまだ高校生なんだそうだ。
そして僕は言ったんだ。
「ビデオじゃ、ぼやけていて見えないよ、どうせなら本物を見たらどうかな?」
それから二時間後、僕はユキコちゃんのマンションにいた。お父さんもお母さんもお仕事でいないんだって!
僕はすべての服を脱いで、彼女の前に立ったんだ。
「これが・・・・男の人の・・・からだ」
僕のオチンチンをおそるおそる触った。
「硬い・・・・・オシッコは上にとぶのかしら?」
「今は大きくなっているんだよ。ユキコちゃんがかわいいからね」
僕はやさしくレクチャーした。
「ひとの体ってとても、不思議なのね・・・・。」
ユキコちゃんもいつのまにか服を脱いでいた。
「女の人のからだについても、先生、教えてくれませんか・・・・・。」
それからのことは、コンパにいってるカノジョには、ナイショだよ!!
その後、人間の体にすっかり魅せられたユキコちゃんが、20年後に世界をアっといわせる天才外科医になったことを、僕は知るよしもなかった。
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