中学校のとき、えらくかっこいい先輩がひとつ上にいました。
ものすごく背が高いけど顔が小さくて、そして顔は当時人気のあったアイドル、成田昭次(現・昇司)によく似ていて、むしろ成田昭次よりかっこいい感じで
サッカー部でレギュラーでサッカーが上手、長身を活かして高飛びなども得意で学校の代表になるくらい、勉強もよくできて、地域ではいちばんの高校に進むくらいでした。
とても中学校では後輩に人気があり、友人たちはキャーキャーいってました。
たしかにかっこよかったです
私はその後中二の半分で転校してしまいましたが、その先輩の人気は衰えず、むしろ盛り上がっていたようです、そしてもちろん地域でいちばんの高校に合格して進学した、と、そのへんまでは噂が入ってきていましたが
そこから情報は途絶えてしまいました。
キャーキャーいってた友達らはその高校には行かなかったのでした。
私も別の高校に行ったので忘れてしまっていたのですが、高校時代に行ってた英語の塾で、その人の名前を発見しました。同姓同名がいないような名前の先輩だったんで、すぐわかりました。
予備校の講師が自宅でやってる小さな塾で、さほど人数がいない(ひと学年3名くらい)なので、ひとつ上の学年に誰がいるとかいうのは情報として入ってくるわけです
あ、この人知ってますとか先生と話をしていて、先生によると医学部を目指しているんだそうでした。
へええ、すげえ。そうか、たしか親が医者だったような。
その後、英語の塾での情報からすると浪人したらしい。そして相変わらず医学部を目指しているそうで
先生とはファックスでのやりとりもしながら勉強してるそうで、英語はスゲエできるんだそうで
で、結局私は現役の受験が終わって浪人するときに埼玉に引っ越してしまい、そこで情報は途絶えて
まぁ一浪して医学部に行ったんだろうかな、なんてあたりでもう忘れてしまってました。
相変わらず長身でかっこよくてモテるんだろうか、などと。
そして、一年が過ぎ私の二度目の大学受験で、国公立のA日程での受験のとき、同じ部屋に、ソックリな人を発見しました。でかいんで目立つんです。すげえロン毛でした。
んまぁ似てるけど、二浪したにしても医学部だろうから、って思っていたので別人かと思いましたが
入学したら同じクラスにその人がいたのです。名前を見て驚愕。
ああ。
あんだけかっこよくてみんなのアイドルでモテモテで医学部目指していたのに、こんなモロに文系の学科なのかと。しかも二浪かよ。
でも、地元ネタで話しかけてびっくりさせて、仲良くなりました。
あんなみんなのアイドルだった先輩と大学でクラスメイト。ヘンなの。
当時キャーキャーいってた連中に自慢したいか、いやもう忘れてるんだろうな。
クラスメイトになってしまった彼は、単なる「いいヤツ」でした。でも妙にチャラチャラしてたのでむしろ幻滅。あーあ、みんなのアイドルがなぁ・・・・・
その後、彼は私と同様あんま学校にこなくなり、3年生くらいのときだか、二つ下の学年と一緒の授業で久々に会いました。その授業の単位とらないと絶対に卒業できないんです。クラスの基幹授業だったのです。3年に二回しかやらない授業なので、その年に取らないと3年生の私たちは留年する羽目になるわけで。
クラスでその単位を落としてるのは私と彼ともう一人だけでした。トホホ。
で、その授業でディベートすることになって、後輩ばっかの中で上級生の我々は必然的に同じチームだったのです。
なんかもう、かつてのアイドルは見る影もなく単なる同級生。しかもその授業では単位おとしまくってるヘンな先輩。後輩らからは白い目で見られる私たち。でも彼は英語の単位はTOEICだかで互換したそうな。相変わらず英語はできるらしく。
で、そのディベートは後輩に負けました。
でも、そのあたりが最後に会った記憶で、大学でもぜんぜん見かけなくなりました。どこへいったんだろう。時々思い返してみましたが、いつのまにやら自分も卒業してしまいました。
多分留年したのかなぁとかって思い出すことがありました。
みんなのアイドルがどんどん落ちぶれていってしまいには留年?うーん、二十歳過ぎればただの人なのかなぁ。あの頃の予想では今頃研修医かなんかじゃなかったっけ。人生ってむずいのぅ。
などと勝手にいろいろと思うのでした。
ところが、こないだなんか気まぐれで彼の名前で検索かけてみたら、びっくりしました。
彼は大学を中退して渡米、そして修行をつんで写真家になっていたのでした。
そして、ネットのあちこちに写真がのってましたが、相変わらず成田昭次に似てるイケメンでロン毛でした、奥さんは新進気鋭の陶芸家だそうです、なんかおしゃれなクリエイター夫妻って感じ。
すげええ。
きっと医学部に進んで医者になるよかよっぽどこっちの道のほうが彼に合っていたんだろうなぁと思うのでした。
やっぱり皆のアイドルはこうでなくっちゃ。
がんばって音楽続けて有名になって、意外なとこで再会とかしたら面白そうだなぁ。って、彼は私のことなんぞ忘れてると思いますが。
いや、みんなのアイドルなんだからそれでいいんだ。そう、それでいいの。
て、これ、エロ小説じゃなくてすいません。単なる実話です。
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