冷凍睡眠から起きたサンプルRZ-5884は、俺によく21世紀の話を聞かせてくれた。
ジャパンという国に彼女は住んでいたらしい。
もう500年も前の話だが、彼女にとっては懐かしい時代の出来事なのであろう。
「なあRZ-5884、そのころのジャパンでは何がはやっていたんだい?」
「そうね、ペッティングかしら。」
「ペッティング・・・・何だそれは?」
「性的接触のことよ。」
「性的・・・・接触??」
たしか文献で読んだことがある、過去の人類は受精をするのに機械を使わずにお互いの肉体を使っていたのだそうだ。とても面倒じゃないか。どうしてそんなことをするんだ。
「俺に性的接触というのを教えてくれないか?」
彼女はすこしためらってからうなずいた。そして突然俺の服を脱がそうとする。
「や、やめてくれ、こんなところで」
「だめよ、脱がないと始まらないのよ。」
俺は酸素スーツを脱がされ、排泄コードも抜かれて、何もまとわない姿にされてしまった。
そして彼女も身にまとっていた酵素シャツを脱いだ。
彼女の胸のあたりが俺のそれとちがっている。
「それは何だ?」
「おっぱいよ」
「おっぱい・・・・・初めて見るな・・・・」
「触っていいのよ。」
初めて触れた「おっぱい」というものは、とてもやわらかくて暖かだった。
「おっぱい」に触っていたら、彼女の呼吸が荒くなってきた。
「どうした、RZ-5884」
「ハアッ、ハアッ」
彼女は突然、俺の足と足の間のものにしゃぶりついてきた。
えもいわれぬ快楽が襲ってくる。どんな錠剤よりも気持ちがいい。
これが・・・ペッティングというものなのか・・・・・
それから先のことはまったく思い出せない。ただ、俺とRZ-5884はその後会うたびに、ペッティングを行い、俺は酸素スーツを着ないでも平気な肉体を手に入れた。
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